No Way To Say 11
裂かれた花のその露は
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「痛かったか」
分かり切っていることを聞き、そして、自分も服を脱いだ。
「や…」
ぐら、と目の前が歪み、一気に景色が変わる。
白い肌が、鴉から真っ直ぐの位置に晒されていた。
股の毛も、黒髪も全て。
鴉は、仰向けになった自分の腹に、蔵馬を跨ぐ姿勢で載せていた。
「…鴉様!?」
喉が、引きつる。
「私を満足させてみせろ」
「…え…」
「今夜は私が満足するまで許さない」
蔵馬の秘孔に、鴉のものが当たっていた。
興奮したのか、鴉は突き刺さすように蔵馬の腰を密着させる。
ひく、と蔵馬の秘孔は戦慄いた。
「…こうすれば良いか?」
鴉は蔵馬の中心に指をそえると、弾いた。
「ひっ…」
そこを軽く梳くと、
「ぁっ…」
高い声が上がった。肉襞が、見えた。
「初めてお前を抱いた時も思ったが、そそる声だ」
青くなった指先を見ると、鴉の涎が流れた。
腰に力が入らず、足先に力を入れる蔵馬を見つめると、
「こんな生意気だとは、思わなかった」
指で弾くと仰け反る喉は、獲物にしか見えなかった。
「…あ…あ…」
腹の上で聞こえる消えそうな声が、心地いい。
「このままじゃ…無理です…」
未だ濡れてもいない。鴉は、溜め息をついた。
「仕方がないな」
言うなり蔵馬の、瞳を見る。
「お前、そこで、してみせろ」
氷のような手が、赤く腫れがあった手に触れた。
「自分で濡らして見せろ」
頬が朱に染まった瞬間、追い打ちをかける声が響いた。
「私が言う通りにしろ」
蔵馬の腰を引き上げて、自分の腹に落とす。
「あんっ―…」
「するのか、しないのか」
「…します…」
蔵馬は、つばを飲んだ。
少し腰を浮かし、ゆっくりと鴉の上に落とす。
両手で体を支えなくてはならず、指先が青くなる。
そして、細い指を、自分の蕾に進めた。
「あ…」
そこは、熱かった。初めて触れる自分に、声を上げる。
ずぶ、と細い指が飲み込まれていく。頬が火照った。
細い指は、す、と奥へ入っていった。
「そうだ…」
鴉は、蔵馬の指を誘導する。促されて、中をかき混ぜると、ぐちゅ、と音がした。
「ほら…わかっているだろう」
「ひっ…ん」
もっと奥だ、と指を押し込むと
「こ、んな…」
導く鴉の手を、跳ねのける音がした。…思い当たって、鴉が声をかける。
「そんなことはしたこと、ないというわけか」
沈黙だけが、二人を包んだ。
「そうか、仕方がない…」
自分でしたこともないのか。
「教えてやる」
ぎこちない手つきで、蔵馬は瞳を閉じて、鴉の命令に従った。
両手で襞の中をまさぐる。
「ほら、もう少しだ」
「んんっ…」
蔵馬は、言われた通り、両手を動かす。
こねるように。秘孔に突っ込まれた指は、じっとりと密に塗れた。
「そうだ、ゆっくり」
白い肌が熱を帯びていく様は、垂涎の的だった。蔵馬の先から、白い液が見えた。
「濡れてきたぞ、蔵馬」
「はあ―っ…」
そのまま蔵馬の中心を突っつく。とろ、鴉の指を濡らす。
「出せるじゃないか」
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