No Way To Say 17

モクジ

  伸ばす先には見えない光  

「なに…」
目の前が反転した。視界が低くなり、蔵馬の目の下には、固い床だけが見えた。
それにかまう余裕は、無かった。
すぐに、下半身に風を感じたからだ。後ろに生暖かいものが当たる…尻の間からだった。


「ひっ…!」
剛鬼は蔵馬の後ろに回り、尻を高く上げさせていた。
四つん這いの蔵馬の尻が突き出され、剛鬼が、半端に絡んでいる布を引き下ろす。

「すげえ綺麗」
白い肌に魅せられる、太ももは少女のようで、愉悦が剛鬼を襲った。
蔵馬の足を舐める。ぞわっと、蔵馬の肌を、悪寒が走る。

「すげえぜ」
そして剛鬼は、蔵馬の足を大きく開く。

「あっ…うぐ」
尻の割れ目が晒された。上がった尻が大きく開いた蔵馬は小さな光の下で浮かび上がり、艶めかしい。
足が開かると、自然膝に力が入る。
蔵馬は、尻を突き上げた格好に顔を伏せた。


「見ない…で」
鴉は笑い、服を脱ぎ始めた。
外からは分からない、鍛え上げられた体は、威圧感を伴う。

「鴉…さ…!」
一気に押し込まれたものに、蔵馬の言葉が切れた。
小さな口に、鴉のものが差し込まれていた。

余りにいきなりのことに蔵馬は動けなかった。
先端しか入らず、埋め込もうと鴉が腰を突き出す。

異質のものに、蔵馬はむせた。後ろの剛鬼が、蔵馬の尻の割れ目に、指を突っ込む。
ねじこまれた指は、蔵馬のからだを一気に抉る。
蔵馬の襞が、指を締め付けようと戦慄
く。

「ん…ぐぅ!」
剛鬼は、指、をずい、と乱暴に突っ込む。
受け入れきれない蔵馬のからだを眺め、押し進める。

「ぅぅ!」
蔵馬が、顔を背けようとするのを、鴉は許さない。
剛鬼は、蔵馬の腰を、片手で固定する。剛鬼は、舌を這わせ、蔵馬の背に唾液を塗り付ける。
獣にでも舐められているよう…。


「ぅんん!」
腰を前に押し込んだ鴉は、先走りの液を零していた。
涙と、飲みきれない唾液が混ざる。全て口に入れることが出来なかった。
せめてと、舌を奥へ追いやった。

小さな抵抗に、鴉が僅かに笑う。


「可愛くて嫌らしいぜ…」
腰の後ろで、荒い息が聞こえた。
「や…んぐ」
最奥が、ひくひくと震えた。


「や…んぐ」
最奥が、ひくひくと震えた。
「ひっ…!」
指を増やし、蔵馬の奥を突く。ある一点で、蔵馬の尻が揺れた。
ぬちゃぬちゃと言う音が、蔵馬の耳にも聞こえた。
「へへへっ」
剛鬼は、自分の中心が、はち切れんばかりになっているのを見て笑った。

「ちゃんと奉仕をしろ」
蔵馬の口を、鴉が指で広げる。
蔵馬の喉奥まで、鴉のそれが突っ込まれる。
頭を抑えつけると、曇った声も消えた。

膨張を始めたそれは、蔵馬の口の中で脈を打った。

「あぐ…!」
ねばつくものが、蔵馬の口に溢れ出した。
「…んぅぅ…」
自身を取り出すと、蔵馬の顔には白い液体が広がっていた。
少女のような顔立ちに、鴉はうっとりとした。

剛鬼の声がした。
「さて、もうすぐだぜ」

------剛鬼が、一瞬指を抜いた。腰の近くで。
嫌な気配を感じる。


「ぁ…」
自分を襲う次のことに、蔵馬は体を縮こまらせた。

「もっと力をぬけ!」
怒号のような声が、聞こえた。
「お前を抱いているのが飛影だと思うことだな」
蔵馬の耳に、鴉の声が聞こえる。体中が、氷のように冷たくなる感じがした。

剛鬼は、蔵馬の下半身を後ろに引いた。


「へっ…へ」
「あ、あ―!!」
後ろに、すべてが埋め込まれ、蔵馬は強烈な吐き気を感じた。
体中のすべてが逆流する。ぐい、と剛鬼が腰を揺らす。


「ひっ…いっ…」
暗い床が、揺れて見えた。剛鬼が体を離すと、すべての支えを失ったからだが、
寝台の上に転がった。
鴉は隙を逃さず、荒い息をする蔵馬の口を上げさせる。

「あ…んん…!」
一気に蔵馬の口に自身を入れ、頤を押さえつけた。


「くっ…全部だ」
「ぁ…」
残っていた液体だった。体中に塗られるもの…胸に広がる感触に、声を出すことも
できなかった。

――だれ、か―― 細い指が宙をさまよい、白いからだが、床に落ちた。


気づいたら、誰の気配も、なかった。

モクジ
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