濁った夢 6

雨音はモノクローム

ガラスの向こうにゆがむ空
もう 二度と繋がらない声
深い雨が心を濡らしてる
さみしさを鎮めようと



・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥

…嫌だ…
見られた…あんなところ…
自分の手で奥を探る行為を見られた…
意識がぼうっとした中でも、それだけは忘れられず、蔵馬は床を涙で
濡らした。

もういや…
そうっと瞼を閉じ、意識を閉ざした…。





そして…
「ん―――」どこか明るい光を感じて、丸い瞳がゆっくりと開く…。
髪を照らし、頬に差す光を感じ―――
「う、ん―――」
遠く離れた窓から光が入っているのを感じ、ゆっくりと身体を
起こす。
もう一晩経ったのか…そう思い、怠さと痛みが残る身体を動かし…
「…?」
どこか違和感を感じ、腕を撫でてみる。





「え…」
一気に目が冷めて、周りを見渡す。見覚えのない光景が、入ってくる。
ふかふかの布団…。広いベッド…。カーテンがベッドを囲み、そして…。
「あ…れ…」
白い肌が晒されていると思っていたが…何かが肌に触れている。
するっと手が滑っていく。…柔らかい布…。
「な…に…」
そうっとその流れに沿って手を滑られていくと、それはそのまま膝の
あたりまでを
覆っていた。
もう一度布に沿って手を滑らせる。



キャミソールのようなワンピースのような…雑誌で見たことがある…
ベビードールだった。
濃いピンクと紫を混ぜたような色の、ベビードールだった。
そして、白い足に、何かを感じた。そうっと視線を落とすと、膝まである
黒いタイツだった。



「なにこれ…。」
薄い布地のタイツは、ベビードールが終わった場所より少し下がった
場所までだった。
背筋を、冷たい汗が流れた。



これ…商売女の格好……
まさか幽助が……
何とも言えない冷たい感じが離れず、ぎゅっと、自分の身体を両腕で
抱きしめた。
そのとき……



「あ、起きた?似合うジャン。」
にやにやと笑いを讃えて、覚えのある声が降ってきた。蔵馬はハッとして
ドアの方を見た。
「ゆ、幽助…なにこれ…。」
「似合うと思ってさ、お前が寝てる間にこの部屋に運んで
着替えさせてみた。」


ベッドに乗って、ズイ、蔵馬に近づく。びくっとして、蔵馬は壁近くまで
後ずさった。
「やめて…こんなこと…」
「だーめ。こんなに似合うんだもん。それにさ…」
脇から何かを取り出して蔵馬の唇に近付ける。
それをみて、蔵馬は固まった。脱力した両手が投げ出される。
「なにする…「お前化粧したら絶対似合うと思う。」」



それは、赤いリップだった、リップブラシと、綺麗な装飾のあるリップ。
ブラシに3,4回色を取って、蔵馬の唇に近付ける。



蔵馬は固まっているので、そのまま大人しく、濡れるかと思った。
だが…
「や、やめて!!」
ガン、と音がして、次の瞬間衝撃音がした。蔵馬が、幽助を
突き飛ばしていた。
リップがベッドの端に転がる。



それを見て、蔵馬は這うように幽助の腕の隙を抜けた。
「待てよ!」
ハッとした幽助が蔵馬の腕を掴もうとして…しかし僅かな隙で、
蔵馬は広いベッドの端を目指す。




どうしていいのか分からない。けれどこのまま大人しく受け入れる
訳にはいかない。



しかし、幽助が追いかけてくる気配はある。
「綺麗な姿のお前、見たい。」
「やだっ…!」
ガッと腕を掴まれたが、蔵馬は力の入らない身体で藻掻き始めた。
「絶対似合うから!大人しくしろよ!」
「いや!」
転がるようにして幽助の腕から逃げ、蔵馬は右腕に力を入れる。

何度も繰り返し…。
「あっ…!」
ガッと、今度はさっきと違う音がして、ズキっと、はっきりとした
痛みを感じて蔵馬は下を見た。
やけに綺麗な床が、視線の下に広がる。




幽助と揉み合ううちに、ベッドから床に落ちていた。

「蔵馬。」
「あ…」
動きが鈍くなった蔵馬を察知して、幽助は馬乗りになった。
「や…。「綺麗だから、絶対。」」
うっとりとした顔で、幽助が近づいてくる。
「んっ…!」
ぬる、とした感触がして、赤いリップがゆっくりと塗られていく。
上唇から下唇までブラシがねっとりと動いていく。
「ほら、凄い綺麗。」
唇の色と馴染み、ベリーピンクのような色になる。それは、蔵馬の
白い肌とよく馴染んでいて、
妙な色気を醸し出していた。



「お前にもっと似合う者を遣ろうと思ってさ。」
馬乗りになった幽助が、ズボンのポケットから何かを取り出す。
「な…に…」
ジャラ、と音がして…。やけに光るものが見えて、蔵馬は震えだした。



見えたものより、何か嫌な予感だけが駆け巡り、白い腕が、益々白くなった。

きらきらと光る真珠。

幽助に奪われた氷泪石のかわりに、首に掛けられたネックレスに似た色のもの。


「なにする…。」
「お前のここさあ、凄い綺麗な色じゃん?これ、お前の中に
遣ろうと思ってさ。」


今度は、熱い汗が流れた。
全身を血が逆流するかのような感覚がして…。
「や、やめて!」
ハッと意識が呼び戻され、僅かな力で幽助を押し返そうとする。
くくっと笑い、幽助は蔵馬の上から降りた。



「あっ…はあ…」
突然重みがなくなり、一瞬息をつく。

しかし…、次の瞬間。

「―――!?」
目の前が反転して、何が起きたか受け止めきれなかった。
幽助が後ろに回り、蔵馬の腰を固定する。



四つん這いのような格好で、ベビードレスが腰の所でめくられる。
腰から背中で折り返されるような格好で、白いお尻と、黒いタイツがやけに艶めかしい。
「ゆ―――幽助…!?」
「嫌でも入れてやるから。」
ぐい、と蔵馬の顎を取る。
「いった―!」
顔をベッドの端に起き、後ろから片手で腰を抑える。すると、尻を上げて黒いタイツで足を広げる
ような格好になる。
力を入れないと支えきれず、自然腰に力が入り―――。
「あ、っ―――あぁ!」

じゅく、と音がして、幽助のごつい指が入ってきて、予想よりも速い展開に、蔵馬が呻いた。
「唾つけて濡らしているから大丈夫―――今から綺麗な石、入れてやるから」

これを入れた後の蔵馬の尻から落ちてくる液体を、見てみたい―――。



「あ、あっ…!」
指を2本に増やし、時折背中を幽助が舐める。藻掻こうにも押さえつけられて、蔵馬はどうしようもなく
顔をシーツに埋めて涙を流した。


…いやだ…もうこれ以上は…進めないで…
きらきら光る真珠の粒はすんなりと入るとは思えず……。幽助が指を動かす度、背中を汗が伝い、
腕ががくがく震えた。

「うっ…!」
突然衝撃が去り、蔵馬は力が抜けそうになった。だが…次に冷たい衝撃が襲った。
「いっ…!ひっ…!」
目を見開き、だらしなく口を開けて、唾液をシーツに零す。
ぐいっと、さらに足を開かれて尻を突き出す格好にされ、真珠が入り込んできた。
冷たく、そして指とは違う異物感に、膝もがくがくし始めた。
「お前の白い肌の中で、ちょっと光ってる。…綺麗…」
後ろで笑う声が、蔵馬の胸を引き裂くようだった。


「いや…やめ…あっ…」
「いやいやばっかり言ってるより、もっと感じさせてやるよ。」
パチンと、一瞬だけ指を鳴らす。すると…。


がちゃっと扉が開いた音がした。
「や!!いや…!」
誰かに見られると思い、瞳をぎゅっとつむる。唇を噛む。
「失礼します。」
やけにクールな声が響き、気配が近づいてきた。
「蔵馬、見ろよ。」
もう一度後ろから真珠を動かす。
「ひぃっ…」
痛みで目を見開いて口を開いた蔵馬だったが…。


顔を突き出したベッドの上には、ボブカットのクールな男が座っていた。
薄いシャツを羽織っただけの男は…、舌に撒いていた布を落とした、滾っている、男のもの。
幽助のものよりも一回り大きなそれが、どくどく脈打っていた。
蔵馬に近づき、男は優しげに笑った。ぬめりながら、蔵馬の前に突き出されたそれが、生黒く光る。
胡座を掻いた男が、自分のものを梳いて、ものを突き出す。てろんてろんと、揺れたそれが蔵馬の瞳に映る。
はっとした…男の太い指が小さな口をねじ開けた。歯を割って、人差し指を喉の奥までネジ入れる。
「あっ…!」
少し開いた口を、奥まで入れた指を上下に揺さぶり開かせる、蔵馬の口にねじ込むと、自分のものを揺らしながら蔵馬を見た。
「んっ!?んぐ!」
「本当に綺麗な方…」
「んっ!!ううぅ…」
「ほら、蔵馬、あいつのだと思って舐めてやって」
後ろから真珠が、3個に増やされて中で蠢く。

ああっと、のけぞりそうな蔵馬だったが、顔を動かす度男のものが突いてくる…。動けなかった。
真珠を飲み込みたいのか、吐き出したいのか、蔵馬の尻が開いていく。
高く上げられて開いていく蔵馬の尻から垂れる、汗と、真珠を包む液体。真珠を奥に突っ込む引いてみると、蔵馬の
奥の鼓動が跳ねる…疼く一点に、真珠を纏めてくっつけると、蔵馬の前のものが震えた。
「あなたの姿で、興奮してきますよ」
カチンと言う音も…やがて、カチュカチュと…蔵馬の蜜にまみれて変わっていく…。
…苦しい…くるしいよ…だれか助けて…
思っても、襲い来る現実に心が追いつかない。

蔵馬の涙と唾液と白い肌に、男は自分が早く反応するのを感じた。小さな口の奥まで、突っ込むその間ですら、少しずつそれは横に揺れた。 口の中で膨張しふるっと揺れるものに、吐き出しそうな苦しみ。なのに後ろを疲れて、のめり出すことも出来ず。
「あっんぐ…」
膨らみを帯びたのを感じ、一度喉に突き出され、呼吸さえ苦しくなる。
腕と指がガタガタ震え、後ろの幽助の笑いが、意識を手放すことを許さない。


「んう…ぁ…ぃ…た…」
「3個入った。ここ、びくびく反応してる。綺麗なの出てきたぜ。」
左右に真珠を振りながら、くすくす笑う。
蔵馬の足を広げられて、その中心から白い液体が流れているが、中の真珠の白い光と混ざり、何とも言えない光景だった。
そして、自分の部下の男のものを加え、涙を流す蔵馬のだらしない格好に、妙な興奮を覚える。
幽助のものも、ズボンの中で反応し始めていた。
…堪らないな…


「あァ!…ぐぅ!」
「舐めてくださいよ。」
男が奥につきだし、蔵馬の顎を押さえると、蔵馬は恐る恐る舌を動かした。
根元からゆっくりと突いて、滾りに合わせて吸い付くように温かい舌を這わせ…止まっては
もう一度を繰り返す…。ちょろちょろとたどたどしく動かす様でも、充分に男の鼓動を速くする。
膨らんでいるそれを舐めるには、蔵馬の舌は小さかった。
「お前の尻、本当に綺麗で良いな。足にもこんなに伝ってるぜ。」
…やめて……
ぐいぐいと、真珠を何度も左右に動かして遊びながら眺めていた幽助だったが、段々と自分のものが訴えるのを感じてきた。


「抜いて欲しい…?」
「あっ…ぃ……ぬ…ぃ…」
ほんの僅かな隙から声を出す。
「仕方がないな…力、入れろよ。尻に力入れて、もっと上げるの。力入れないと抜けないぞ。」
「んぐ…っ―――ぁ」
正直、力を入れる余裕など無かった。男のものが液体を口に出し始めていて、そこから逃げるので精一杯で―。
少しずつ膨らんできた男のものは、小さな蔵馬の口に無理矢理収まっていた。

―力―入れる―――
仕方が無く尻に力を入れる。幽助が少し浮かせた尻を見ると、奥に隠れていた蔵馬のものが、立ち上がり切なく伸びていた。
「お前、淫乱。…俺が、欲しいんじゃねえの。」
しかし尻を上げたことで、力を入れやすくなり、蔵馬は腰から思い切り、真珠が抜けるように力を入れた。


「ん…―ぅ――っ…ぁ…」
高く突き出す尻と、そうすることで前のめりに鳴る顔に、体中が熱くなる。
前のめりになった顔で、男のものがもっと奥に入り…
「ぁっ…!んぐ!」
もうトロトロと液体を流している男のものが最高潮に膨らみ…ぐふっと、蔵馬の中で揺れた。
「出しますよ…!」
はあはあと、男の息も荒くなる。


ハッとした瞬間に…
「あっ!…ぅ…んぅ!」
逃げるように顔を僅か後ろにしたが、一歩遅かった。
「うっ…うぅ…」
顔にべとべとしたものが広がる。前髪にこそ触れなかったが、蔵馬の白い顔が液体で濡れる。

「あっ…はぁ…ぁ…」
しかし、ハッと思い出し腰にもう一度力を入れる。
「少し抜けてきたぜ。頑張れ…」
幽助の声が降ってくるが、突っ伏しているシーツに染みこむ白い液体で、苦悶の声しか出なかった。


「あっ!!あぁっ!」
思い切り高く尻を上げると、身体を支えるために脚も開いてくる。

幽助は蔵馬の腰を押さえ込み、僅かな隙間を空けて後ろに腰を重ねる姿勢を取った。
幽助が悪戯のように、蔵馬のものをさする。
「んっ…ああっ!」
段々と自分の興奮か、真珠を抜く痛みか分からなくなってくる。
ズルッ…
「あ、あと1粒。」
手伝ってはくれず、幽助が笑いながら教えてくる。
「ううっ!んぐ―――!」
「こうすると、もっと綺麗。」

真珠から流れてくる白い液体を、蔵馬の尻に塗る。
「あっ!!はぁ―――はぁ」
一気に塊が抜けたのを感じて、シーツに熱い涙を流した。
「良くできたな…」
綺麗だった、本当に。


「じゃあ、俺のもの、入れるな。」
脱力した蔵馬に、恐ろしい声が降ってきた。
「い…やめ…あ、ああ!」
一気に挿入されたものに、悲鳴が上がる。バンバンと突き上げてくる幽助の腰に、耐えきれず崩れそうな
蔵馬の腰を、幽助が片手で押さえる。
「あなたのこっちも味わわせて下さい。」
男が近づいて、蔵馬の唇に自分の唇を重ねる。蔵馬の碧の瞳が見開く。


「んっ!んぅ!」
リップで染まっていた唇に僅か残る色が艶を生み出す。
…柔らかい…
男は、柔らかなボブの髪を揺らし、新たな興奮を感じて居た。
「い…やぁ…っ!」


幽助のものが一気に入って、熱いものを放たれた。
「ああっ…」


もう男の深い口づけに応えることも拒否する気力もなかった。

ベビードールと、黒いタイツが所々汚れている。

意識が消えた蔵馬をなぞる手だけが、優しかった。

「…っ…あ…幽…」
救いを求めるように、蔵馬は指を、シーツ上に伸ばした。途端、うつ伏せに倒れ込んでいる蔵馬の口に、何かが
入り込んだ。男の…手のひらだった。ベトベトに濡れた手のひらが、不意にねじ込まれた。
「…やっ…あっ…」
かき回すように、男は蔵馬の口の中を、同じようにべたつくように、塗り込むように蹂躙した。
「あなたが舐めてくれた証しですよ」
ハマりそうですよと、男は何度も、蔵馬の口を侵していく…。息が、出来なかった。

「はっ…!」
一気に手を抜かれた瞬間には、唾と涙が、同時に飛び散った。抜かれた男の手に残る液体が、蔵馬の顎から伝う。
「こいつ、綺麗だろ」
幽助の、声だった。
「でも、俺のだからな。」
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