白い吐息はささやきのそばに3




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百足の、飛影の部屋の中で、蔵馬は服を落とされるとシーツをただ見つめた。

白い肌が、静かな部屋に浮かび上がる。
そっと蔵馬のからだを仰向けに倒し、飛影はゆっくり口づけた。

んっと、蔵馬の声は甘かった。飛影の肩にしがみつく腕には、いつもより力が込められた。
「飛影……」

何度も、蔵馬は飛影を呼んだ。

風が渇いた季節になっても会えなかった分、日常の義務に追われて心を休ませることが出来なかった分、焦がれている。

「はっ…ぁぁん!!」

胸に唇を落とせば蔵馬は瞳を潤ませた。どうした、と一瞬飛影は思った。
いつもよりも、切なげな声。
胸の飾りをねっとりと舐めると、飛影は早急に下半身に触れた。

「んあっ――…」
膝を割れば、蔵馬は素直に開いた。
ゆっくりと指を差し込めば、そこはぐいぐいと飛影を飲み込んだ、
待っていたように強く飛影を締め付ける。
「会いたかった……」
飛影が囁けば、蔵馬は笑った。

ぎゅうっと濡れる蔵馬の奥を、飛影は何度も指で突いた。
突けば蔵馬は膝を濡らし、足先を振るわせた。

「飛影…飛影だよね…」

蔵馬から口づけをせがみ、身体を密着させた。
ぐいと、腰を押し付け蔵馬は頬を擦りつけた。

「ああっ……」
腰を追進めると、蔵馬は甘く声を上げた。



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んっと、蔵馬は飛影の胸の中で小さく呻いた。

夜を超えて、今はただ茜色の空がしらみ、静けさだけが魔界を支配していた。

まだ…太陽はかけらしか出ていない。

廊下を行き来する音もない今、胸の蔵馬の黒い髪を梳いては口づけをした。

ふっと、窓の外に降るものに、飛影の瞳が揺れた、これは…見たことが…ある。

「ひ、えい……」
小さく、蔵馬の声がした。

「寒いか」
「ううん…あなたがいるから」
見上げる、蔵馬が愛しかった。
「ゆ、き……」
窓の外をチラチラと白く彩るものに、蔵馬が顔を上げた。

「ここにも、雪…」

「ホワイトクリスマスだな」
息を呑む音がした。
飛影の呟きに、蔵馬が体を起こしたのだ。

「聞いたことがある…こういうの。ホワイトクリスマスっていうんだろ」
チェストの上の小さな紙を、飛影が指さした。日付の記された…小さな…紙。

「迎えに、行こうと決めていた」
顔を上げた蔵馬に、飛影は唇を重ねた。


「つがいのやつと、過ごす日だろ」

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